国内

室内墓の効果、お参り頻度が年1回から月1回に

人気が上昇している室内墓

 少子化や遠距離などさまざまな事情で無縁化した数多の墓が社会問題になっている中、改葬先として近年、急速に数を増やし、大きな注目を集める室内墓。一体どんなものなのか、「新宿南口徒歩3分」のキャッチフレーズで知られる新宿瑠璃光院白蓮華堂を訪ねたノンフィクションライターの井上理津子さんがレポートする。

 * * *
 自動搬送式の室内墓が誕生して、十余年になる。利用する側のメリットは、

・花、線香を持参せずお参りできる
・天候に左右されずお参りできる
・墓石の掃除が不要
・遺骨を清潔に保つことができる

 といったところだろう。

 新宿瑠璃光院は、お寺自体がお墓の販売を手がけているが、自動搬送式の室内墓は、業者が販売代行するところが大多数だ。現在、都内4か所(赤坂、新宿、小石川、経堂)および川崎、名古屋の自動搬送式室内墓の販売を手がける株式会社はせがわ(本社=東京都文京区)は販売代行会社の最大手。2009年から参入し、昨年は約2000基(厨子1つを1基と数える)を販売した。

「この10年でお求めになるかたの意識が大きく変わりました。10年前は『外墓か室内墓か』という選択肢がある中で室内墓を見学に来られましたが、最近は外墓の選択肢を持たず、室内墓だけを比較して決められます」

 こう話すのは、同社執行役員・墓苑開発部長の新貝三四郎さんだ。

「自動搬送式の室内墓がタブーでない時代になった」と見る。かつて「立体駐車場のようだ」「遺骨を大切にしていない」などとタブー視されたのが遠い昔のようだと言う。

 同社の購入者アンケートによると、購入の決め手ベスト3は「近くて便利」「価格が安い」「手軽」だそうだ。

 便利さと手軽さは個別の要件や感覚に依るだろうが、「価格」については広くあてはまる。外墓の購入には、永代使用料に加えて墓石の代金が必要だが、自動搬送式は墓石代が不要。永代使用料と墓石価格はおおよそ同額だから、自動搬送式のお墓は外墓の概ね「半額」だ。

 先に紹介した新宿瑠璃光院は高価格だが、他の物件は100万円以下が大半である。例を挙げると、はせがわが販売代行する「ゆいの御廟」(経堂)は80万円、「小石川墓陵」(小石川)は90万円。新規に求める人も、改葬する人も価格には敏感だ。

 新貝さんは、こうも言う。

関連キーワード

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン