国際情報

中国でも進む子供の携帯依存 没収に激怒の11歳が自宅に放火

トラブルに発展も(写真:アフロ)

 携帯電話はわれわれの生活を変えたが、トラブルにも事欠かない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 日本にも「中二病」という言葉があるが、思春期を迎えようとする子供との関係に悩む親は日本も中国もないようだ。親子関係のちょっとしたトラブルや行き違いが、とんでもない事件にまで発展してしまうことも珍しくない。これも同じような事情だろう。

 中国ではこのところ中学生や小学生の覚せい剤使用の問題や販売に関わっていたなどのニュースも見かけるが、やはり多いのはスマホや携帯電話をめぐるトラブルだ。

 今年2月の末から3月にかけて、相変わらず多くの関連ニュースが見つかった。代表的なものを二つ紹介しよう。

 まずは『中国新聞ネット』が2017年2月27日付で流したニュースだ。タイトルは、〈携帯のゲームを禁止されて怒った11歳の息子が、父親の骨董茶碗を叩き壊す 骨董品は180万元(時価300万元=約525万円)だった〉である。

 ただ、この話はタイトルから想像するのとは少し違っていた。11歳の息子がゲームに夢中になり過ぎ、歩いていても食事中もずっとゲームをし続けているのを親が見かねたというのはどの家庭にも共通する話だが、問題はその後だ。父親が息子の眠っている隙にすべてのゲームを使用不能にしてしまったのである。

 目覚めた息子は携帯電話が壊れたと思い、それを思いっきり床に投げつけた。それでも怒りが収まらずにものを投げつけた。そのとき不幸にも骨董品に直撃したというのだ。この話のオチは、「ゲームを使えなくするなら、先に息子の同意を得るべきでしょう。あなたはファシストか」と妻に罵倒されておわるというものだった。

 一方、もう一つの話はちょっと重い。報じたのは『澎湃新聞』(2017年3月14日)で、タイトルは、〈携帯電話を没収されて怒った11歳の息子が自宅寝室に放火〉だ。

 現場は重慶市、少年は中国でいう携帯電話依頼症だという。

 放火事件の原因は夕食時にゲームに夢中になって食べない息子から携帯電話を取り上げたことだった。その日、息子は自分の部屋に閉じこもって出てこなかったが、朝、母親が野良仕事に出かけると自分の部屋の土棚の本に火を着けた。だが、火が広がった瞬間に怖くなって祖母の家に逃げてしまい、正午に母親が帰宅したころには部屋は丸焼けになっていたという。

 悩み深い問題だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン