ビジネス

火葬場が混み合い「友引運用」や「ご遺体ホテル」も登場

火葬場はかつてないほどの混雑に

 多くの友人、知人が葬儀に参列し、親しかった人たちに骨を拾ってもらう。そして毎年、墓参りには子や孫が訪れる──かつて当たり前だったそんな「死に方」が、この国ではもうすぐできなくなるかもしれない。すでに、激変の予兆はあちこちにある。

 エントランスを入ると、正面にチェックインカウンターがあり、制服姿のコンシェルジュがいる。ホールにはソファやオブジェが置かれ、内装はまるでホテル。

 だが、その横の自動ドアの先にあるのは生者のための客室ではない。部屋のドアを開けると、白い壁に囲まれた10畳ほどのスペースがある。中央は棺を置く場所、椅子は遺族のためのものだ。

 ここは神奈川県川崎市の住宅街にある「ご遺体ホテル そうそう」。遺体を一時的に安置する施設である。火葬場が不足しているために生まれる「待機遺体」の収納に、こうした遺体ホテルが利用されているという。同施設を運営するアート企画社の竹岸久雄社長が言う。

「近年、さまざまな事情で火葬場やご自宅にご遺体を運べない人がいることを知り、“ご遺体ホテル”のビジネスを立ち上げようと考えました」

 料金は1日(24時間)あたり9000円。2014年10月のオープン当初は閑古鳥が鳴いていたが、2015年には稼働率が73%に急上昇。「現在は稼働率が9割前後に達し、平均滞在期間は3~4日」(竹岸社長)だという。

 同様の施設は都市部を中心に増え続けている。病院で人が亡くなればその遺体は自宅に戻り、家族や親類縁者に見守られて通夜や葬儀を迎える──これまで当たり前だった葬送のあり方が、大きく変わりつつある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン