まだ少女と言ってもよい若い女性たちから過酷すぎる半生の話を聴き出し、必要なら病院や警察に付き添うなど手を差し伸べ、たまに心理学などを使った解説も加える著者は、教育学を専門とする大学教授である。
少女たちへのインタビューも調査の一環として始まったようだが、そのかかわり方は親、姉、友人のように濃密だ。著者のその“熱量”が、少女たちに心を開かせ、誰にも話せなかったことを語らせる。それじたいが一種のカウンセリングにもなっている。
本書を読んで何を感じるかはあなた次第。でも、ここにまぎれもない沖縄の現実、日本の現実がある。ぜひ読んでみてほしい。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号