宗教団体の機関紙らしさが最も出ているのは、「信仰体験」というコーナーだ。かつて苦しい生活を送ってきた人が学会に入会し、人生の使命に芽生えていくという信者の半生記である。
4月12日付の同コーナーでは、「59年越しで夫が入会」と題し、86歳の現役美容師の女性が、“夫が信心する日は来ないかも……”と何度もあきらめそうになりながらも、夫が病院から一時退院して帰宅した際に、学会への入会を決めたエピソードが書かれている。
全国紙の社会面にあたる見開きページに、スポーツや政治、経済、国際ニュースがコンパクトに詰め込まれ、最終の12ページ目にテレビドラマや映画などエンタメ情報が掲載されている。ちなみにスポーツ記事などの場合、学会員の選手の話題が目立って大きく扱われることが多い。一般ニュースは最小限にとどめ、信仰に関する話題をたっぷり報じるのが聖教新聞の特徴だ。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号