◆癒やし系のお坊ちゃん
政治家としての経験が浅い安氏は、いわゆる「お坊ちゃん」タイプ。クリーンなイメージが強く国民受けも良い。口調も穏やかで、韓国メディアには「癒し系」と評された。身長は160cm前後と小柄(文氏は公称172cm)で、本人はシークレットシューズの愛用を公言している。
そんな正直な人柄は若者をはじめとする浮動層の心を掴み、安氏の評価を一気に押し上げた。一方で、彼の政治家としての“押し出し”の弱さを懸念する声も少なくない。
実際、安氏が中心となり2016年に立ち上げた「国民の党」は結党からわずか2か月で韓国の第3党に躍進したが、いまだ安氏の政党内での影響力は確立されていない。安氏は米軍のTHAAD配置について反対から容認の立場に転じたが、党内の反対勢力を説得できずにいる。反対勢力には、安氏の票田・全羅道を活動基盤とするベテラン議員が多く、彼らの意見を無視できないジレンマがある。
対日関係についてはどうか。安氏は大学時代に短期間、日本への留学経験があり、自著でも「日本の数学者・広中平祐氏を尊敬している」と語っている。だが、残念ながらそれ以上、日本との接点はない。