国内

マッチングアプリ使う女性 ロマンス依存の懸念も

■彼氏との倦怠期に“ときめき”求め登録

 大手飲食チェーン勤務のAさん(26)は、トレンドを押さえたファッション、目鼻立ちがくっきりとした可憐な姿とは対照的に、指先に火傷の跡や手荒れのある生々しさが印象的だった。彼女が働く飲食チェーンに足繁く通っていたある日、アプリを始めた理由を問うと、伏し目がちにこう話した。

「実は付き合って3年の彼氏がいて……今は店舗が違うんですけど、なかなか会えなくて。それで好きか嫌いかわからなくなって、ときめきを求めて登録したんです。男性とやりとりしていると、なんだか彼と出会ったときみたいにドキドキして楽しくて」

 学生時代はスポーツに夢中で恋愛どころではなく、社会人になって初めてできたという彼氏。私は寂しさを紛らせるための“アテ”だったというわけだ。

■激務の看護師 「いいね」と褒められたい一心で大胆に

 都内の大学病院に勤める看護師のBさん(27)は、シャツから胸元がチラリと見える写真を載せていることもあるのか、プロフィールに表示される「いいね」の数が多い女性の一人だ。しかし、実際会ってみると露出は少なめ、モノトーンの地味な装い。私と出身地と現在の最寄り駅が近いという理由から、ローカルトークで盛り上がった。

「『いいね』がもらえると、うれしくてつい大胆になってしまうんです。プロフィール写真をSNOWで加工したり、新しい服を買ったり、胸を強調してみたり。あとはヘアアレンジしてみるとか、とにかく盛ると『いいね』が増えて楽しくて、もう趣味みたいなものです」

 特に、現在の激務薄給の環境から、せめて夜勤のない訪問看護師か保健師に転職しようか悩んでいるとき、「いいね」がたくさん付くと不思議と気持ちが紛れたという。

■20代介護職 アプリの会話だけでも満足

「男性と付き合ったことがない」という都内の老人ホームで働く介護職のCさん(24)は、美しいストレートヘアの黒髪が目を引く女性。内気なのか、話すときにあまり目を合わさなかった。

「若い男性が少ない職場で、毎日が家と会社の往復だけになっている状況を変えたいと思って、同僚と一緒に始めたんです。アプリで男の人に相手をしてもらって会話するのはすごく楽しくて、『かわいいね』とか『モテるでしょ?』とか言われるだけで満足でした。でも同僚がアプリで彼氏ができてから、すごく焦ってしまって。私も男性とお付き合いしてみたいし、実際に会ってみようかなって思ったんです。何人か会ったんですが、なかなか次につながらなくて……」

 酒が進むと、職場で撮ったお年寄りとの写真を私に見せてきては、楽しそうに詳細な人物紹介をしてくれる心優しい女性だった。

■寂しがり屋の保育士 アプリで“出会い”慣れ

 都内の認可保育園に勤務するDさん(28)は、おとなしい口調で、笑顔が印象的な女性。 “ゆるふわ”な印象とは裏腹に、夜になるとメッセージが頻繁に来て、返信を催促してくることも多々あった。

「ごめんね、何度もメッセージ送っちゃって。1人暮らし始めたばかりで暇でさ。職場も0歳児担当になっちゃって、プレッシャーがすごくてさ。本当に何かあったら怖いんだよ、うつぶせ寝してないかとか見てないといけないし。でもよかったー〇〇くんが話を聞いてくれて」

 私より年下だが、最初からメールも会話もタメ口で名前も“くん”づけ。飲み終わると、「居酒屋おいしかった」「指がきれい」と褒められ、しきりに家で飲まないかと誘われる。都内の下町に住む彼女のアパートに到着すると、

「元カレもこのアプリで出会った人でね。でも最初は最後まではしなかったからね。私、そんなに肉食じゃないから。さあ、飲もう飲もう!」

 と元気がいい。“お預け”状態のまま、元カレとの思い出や保育士の給料の安さについて、熱く語られる夜となった。

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