「無色透明なのに味がついていると、かえって不自然で違和感があります。しかも、どの商品を飲んでも味わいが薄いので、どうしても中途半端な飲み物という印象が拭えません」(40代主婦)

 ならば、しっかりとした味付けに改良すればリピーターも増えるのかといえば、そう単純でもない。

「最終的には味の勝負になってきますが、あまりにも風味を強くしてしまうと、大本となっているミネラルウォーターブランドとのギャップが生まれてしまいますし、健康イメージも壊れかねません。新ブランドを立ち上げればそうした悩みも解消されるのでしょうが、一から広告投資をかけて商品を育てていくのは容易ではありません」(前出・宮下氏)

 そうした状況下で、フレーバーウォーター人気は頭打ちになっているとの見方も出てきた。飲料総研の調査でも今年に入ってから各社の主力商品が揃って販売数量を落としているという。

「ひと通りの果物フレーバーは出尽くしてしまいましたし、レモンティーなど透明なイメージとは程遠い斬新な新商品を出しても、以前のヨーグルトやコーラを超えるほどのインパクトを持たれなくなっているも事実。

 フレーバーウォーター自体の市場が広く認知されたため、発売時の驚きや興味買いを長続きさせる商品が生まれにくい状況といえます」(宮下氏)

 イギリスでは〈世界初のカラーレスコーヒー〉と謡う透明コーヒー『CLRCFF(Clear Coffee)』が発売されて大きな話題を呼んでいるが、日本のフレーバーウォーターはさらなるヒット作の登場で市場を賑わせ続けることができるか。

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