いま日本のワイン消費量が過去最多になっている。もはやワインは「気取った飲み物」ではなく「日常で飲む酒」になった。「どう味が違うのか」「どうやって選べばいいのか」──取っつきにくいと思われがちなワインの世界を、ベストセラーとなっている『図解ワイン一年生』の著者であるソムリエの小久保尊氏はこう語る。
「ワインのおいしさには2段階あります。“わかりやすくおいしい”と“わかりにくくおいしい”です」
“わかりやすくおいしい”とは、果実味がはっきりしている、ほどよく甘いといったように、誰もが簡単に感じることができるおいしさのこと。「新世界」(アメリカ、オーストラリア、日本などヨーロッパ以外の国)の、単一ぶどう品種のワインに多く、価格はリーズナブル(小売価格2000円未満)。
一方、“わかりにくくおいしい”とは、香りや味わいが複雑で、ワインをある程度飲み慣れてからでないと良さが十分に理解できないおいしさのこと。高級なフランスワインなど「旧世界」に多い。
初心者がいきなり“わかりにくくおいしい”ワインを飲んでも「猫に小判」。まずは“わかりやすくおいしい”ワインを飲み、それで物足りなくなったときに少し高めのワインに挑戦しよう。
【赤白の「王道ワイン」の味を知る】
「ワインには赤白合わせて4つの王道の味があります」(小久保氏)。以下、その特徴を説明する。