まず、力士には序ノ口デビューに際して「持ち給金3円」が与えられ、そこから“積み立て”がスタート。本場所での勝ち越し1勝につき0.5円が加算され、金星は10円、優勝30円、全勝優勝には50円がプラスされていく。累計された「持ち給金」を4000倍した金額が、本場所ごとに支給される仕組みだ。
「大関だった稀勢の里の初場所時点での持ち給金は235円(4000倍すると94万円)でした。それが14勝1敗の成績で優勝し、横綱に昇進。春場所での持ち給金は271.5円(同108.6万円)に増えた。さらに13勝2敗で連続優勝を果たしたので307円(同122.8万円)まで上昇。通常、力士の報奨金増加は平均で年額4万円程度といわれているのが、2場所で34万円近くアップしたわけです」(担当記者)
今の持ち給金のまま1年間戦うと仮定して、稀勢の里の月給と報奨金を合わせた年収は約4120万円。初場所を迎えた時点と比べると年収ベースで700万円もアップしたことになるのだ。
同じ番付でも、報奨金の額で収入に大差がつく。現役力士で最も持ち給金が多いのは白鵬だ。通算最多37回の優勝に加え歴代1位の全勝優勝12回、幕内で51場所連続勝ち越しなどの実績によって持ち給金は史上最高の1799円(それまでの記録は大鵬の1489.5円)に達した。