森下千里(当時23歳。『Lady-Go!』2004年・講談社より)


「東京の他、ニューカレドニア、フィリピンへ行き、1年かけて撮影しました。『20歳になる前に』という本人の希望でした。そんなにセクシーな感じには写っていないと思いますけどね。

 僕は元々グラビア系のカメラマンではないから、押さえるべきところを押さえていないかもしれない。良くも悪くも、自分の世界で撮りたいという考え方です。理美ちゃんとは昨年、久しぶりに会いました」

『写楽』では、竹下景子や朝加真由美、范文雀などの名だたる女優をカメラでセクシーに捉えた。この頃から沢渡は徐々にグラビアに活躍の場を移していく。撮影中、沢渡は積極的に喋ることはなく、指示さえほとんどしないという。

「『寝そべって』『立って』『動いて』と、簡単なことを言う程度ですね。被写体が自然に動くようにさせる方がいい。いかに動くムードを作るかがポイントです」

 被写体の気持ちを盛り上げるために、「かわいいね~!」「グーッ!」と声を掛けるカメラマンも多い中で、珍しいタイプだ。『ミス日本』に選出された大竹一重は、1994年に沢渡の撮影でヘアヌードに挑戦。のちに、ある雑誌でこう語っている。

〈沢渡先生は物静かで、それがすごく良かった。「いいねー、キレイだねー」と言いながら撮る方もいるけど、私はそれだとかえって冷めてしまうんです〉

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