ライフ

ほうじ茶がブームの兆し スイーツ市場にも影響

お茶がぐっと身近になったのは80年代から(写真:アフロ)

 お茶ほど、姿形を変えながら私たちの生活に溶け込んできた飲み物は他に無いのかもしれない。ブームはウーロン茶から始まり、今はほうじ茶が来ている。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 お茶がブームになるのは珍しい。過去にブームとなった「茶」と言えば、ウーロン茶が挙げられる。実はそれ以前に1979年に伊藤園が缶入りのウーロン茶を発売して地ならしはしていたが、「ブーム」となると1981年発売のサントリーウーロン茶に触れないわけにはいかない。「ウーロン茶ポリフェノールが脂肪の吸収を抑える」と一般に広く受け入れられ、ウーロン茶ばかりかお茶の飲み方にまで大変革をもたらした。

 それまで、お茶といえば家庭で急須にお茶を注いで淹れるのが当たり前だった。容器入りのお茶と言えば、旅行時に駅弁とセットで購入する簡易ボトルのお茶――購入後にお湯を注ぐ、昭和の駅弁につきもののアレが想起されるような時代だったが、ウーロン茶のブームは、日本人の日常すら変えた。1980年代以降、緑茶やほうじ茶、紅茶などその他の茶飲料にも缶入りの製品が続々登場する。

 伊藤園は1985年に「缶入り煎茶」を発売、その後1989年に商品名を、いまでもおなじみの「お~いお茶」に変更した。「午後ティー」と呼ばれるキリンの「午後の紅茶」の発売も1986年。家庭で淹れるお茶から、自販機や駅売店で買うお茶へ。1980年代は日本ではお茶の飲み方が大きく変化した時代だった。

 1990年代には健康志向を反映して、さまざまな原料を使用した「ブレンド茶」ブームが訪れた。1993年には「十六茶」がアサヒビール飲料(現在のアサヒ飲料)から、同年に「爽健美茶」もコカ・コーラから発売された。

 そしてこの頃、飲料に大革命が起きる。それまで大容量のものしかなかったペットボトルに500mlサイズが投入され、事実上、飲み残しの持ち歩きができるように。お茶のモバイル化が実現。家庭で淹れるお茶から、持ち歩くお茶への大転換が起きたのだ。

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン