「テレビ業界はこの先、縮小するだろうから不安はあります。でも、ネットメディアに移るのは、もっと恐い。バブルの終わり頃、これからは衛星放送が本格化すると好条件を提示され、そちらに転職した先輩が大勢いました。その後、景気が急速に落ち込んで、僕らの世代が入社した頃には出戻って、出て行く前より低い条件で働き、苦労しています。ネット動画配信は資金豊富なサービスばかりですが、急に撤退することもありえる。かつては出戻りも可能でしたが、今後はそれもわからない。簡単には動けないですよ」
ネット企業側からは腰が重いと言われる旧来の映像のプロたちだが、彼らにとっても無視できないほど動画配信サービスの勢いは増している。5月7日にAbema TVで放送された『亀田興毅に勝ったら1000万円』は1300万アクセスを超え、一時サーバーがダウンするほどの視聴者数を記録した。簡単に動けないというテレビマンたちが、重い腰をあげるときも近いか。