国際情報

中国人に人気の日本の漢方薬 日本人がまず価値を認識すべき

深刻な大気汚染が続いている(北京) 読売新聞/AFLO

 中国の伝統医学は1500年前に日本に伝来してきた。その本場をも覆す現象が、爆買い中国人観光客を通して巻き起こっている。PM2.5に効く、と日本の漢方薬が彼らからブームになっているのだ。フリーライターの清水典之氏がレポートする。

 * * *
“漢方”といえば、中国が本家本元と考えられているが、なぜこのような逆転現象が起きているのか。

 中国の薬、「中医薬」と日本の「漢方薬」は別物と捉えるべきなのだという。漢方が専門の慶應大学環境情報学部の渡辺賢治教授はこう言う。

「中国の伝統医学は5~6世紀ごろに日本に伝わりましたが、徐々に日本化が進み、江戸時代には完全に枝分かれしました。中国では効くメカニズムを考える方向に進み、観念的になっていったのに対し、日本ではそれよりも効果を重視して、より実学的、実践的な方向に進みました。さらに現代の医療制度の中で西洋医学の医師が処方するのも日本の漢方の特長です。現在147種類のエキス剤が処方可能なほか、煎じ薬も保険適用があり、研究も進んでいます」

 中国の伝統医学は、自然科学が発達していない時代に五行説などの抽象的な自然哲学を取り入れ、中医薬も目の前の症状への分析よりも「肺は五行の金だから~」と哲学体系に症状を当てはめる方向に進んでしまった側面がある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン