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「何にでも王子をつけるんじゃない!」の喝と日本の王子列伝

「つなぎ融資の女王」こと山辺節子容疑者

 女性セブンの名物還暦記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中の気になる出来事に思いの丈をぶちまける! 今回が「○○王子」について語ります。きっかけは眞子さまの婚約者・小室圭さんが2010年度の「湘南江の島 海の王子」だったからだ。

 * * *
「海の王子」。ワイドショーから何から、世間はこの言葉で一時期もちきりだった。ついこの間まで、“つなぎ融資の女王”が画面をひとり占めしていたことを思い出し、思わず「何にでも王子、女王をつけるんじゃないの!」とテレビに毒づいたわよ。

◆人が呼ぶ“王子”がいつの間にか自称に

 で、民主国家・日本にいつ“王子”が現れたか。調べたら、1993年にNHKの『おしゃれ工房』に出演したニットデザイナーの広瀬光治さんがその走りなのね。中性的な風貌で“ニット界の貴公子”と呼ばれた頃からそうした呼称が広まり、1998年には漫画『テニスの王子様』が大ヒット。だけどなんといっても、“王子”を定着させたのは、2006年の夏の甲子園でユニホームから取り出したハンカチで汗をぬぐった斎藤佑樹くんだね。

 続く翌年には、ゴルファーの石川遼選手が“ハニカミ王子”。このあたりから、会社や町内に1人や2人いる、さわやかな風貌の若者を“〇〇王子”と呼び出したのよ。

 その後、レスリングの樋口黎選手は “マカロン王子”。洗濯アドバイザーの中村祐一さんは“洗濯王子”。

 それからよ。私の身近にも“王子”が現れ始めたんだわ。ミシン修理を営む30代のMさんが、「私は、奥様の間を渡り歩くミシン王子で…」と、真顔で自分のことを“王子”と言うの。ミシンを直す腕は確かだけど、聞けば子供が2人いるとか。“王子”は未婚限定じゃないの?

 かなり残念な容姿でも、たいがいの男は内心、自分をハンサムだと思っているそうだけど、なるほどなぁと思ったね。「もう、日本男子の恥じらいはどうした!」──と、あぁ言い出したら止まらないわ。

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