芸能

藤岡弘、壮絶下積み時代を語る「東京の雀に泣いたあの日」

”元祖ライダー”はインタビューも全力投球

 観客動員数100万人を突破した映画『帝一の國』。主演の菅田将暉(24才)をはじめ、竹内涼真(24才)、志尊淳(22才)ら、仮面ライダーや戦隊レンジャーが勢揃いしていることでも話題に。この“平成ヒーロー”ブームの礎を作ったのは、この男−−藤岡弘、(71才)が仮面ライダーになるまでの知られざる苦労を語った。 

 * * *
 東京都内の閑静な住宅地にある、藤岡の事務所。約束の時間に訪ねると、ロケ地から自分で運転して帰ってきたという藤岡とばったり。黒々としたウェーブヘアと、シュッとしたジーンズ姿は、’65年のデビュー当時から何ひとつ変わっていないように見える。

「ようこそ!」

 武道家の彼らしく、きっちり頭を90度に下げる。しかしそんな藤岡の顔には犬の毛が…。

「わっはっはっは! すみません、犬(テレビの収録で出会った甲斐犬)を飼っているもんでねえ」

 キリッとした表情から、犬の話で途端にデレデレ。和やかなムードの中、取材は始まった。

「仮面ライダーの初回放送(’71年4月3日)は、絶望的な状況で迎えましたね。大事故の後でしたから、病院のベッドで身動きもできず、医師からは俳優業への復帰はほぼ不可能だと言われていました。当時25才、念願のアクション作品に主演として取り組む喜びの矢先の出来事でした」

  決して大げさな話ではない。映像に魅せられ愛媛から19才で上京した藤岡にとって、“俳優”こそすべてだったからだ。演劇学校に入るも、なまりを笑われ、劣等感の塊だった。食べることに必死で、バイトのかけもちのしすぎで睡眠不足となり、結局俳優学校は卒業できなかった。

「上京当初は野宿もしていたし、3日4日食べなくて空腹で倒れそうなこともよくありました。下宿先ではまわりが畑だったので、虫食いとか傷ものとか、捨ててある野菜くずを拾ってしのいでいて。でもそれだと体力が持たないんですよ。たまに魚屋さんで捨てる部分を譲ってもらったりしてね。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン