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2017.06.09 07:00  週刊ポスト

陸山会事件以来 日本は偽りの現実の中で目覚める機会喪失

安倍首相が野党時代に目の当たりにした“成功体験”は?

 日本人の行動様式に関する鋭い思索で知られたコラムニスト、故・山本七平氏は1977年に刊行された著書『「空気」の研究』でこう書いている。

〈「空気」とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である。一種の「超能力」かも知れない〉

 この妖怪は厄介だ。なにしろ、空気が読めなければ「KY(空気が読めない)」と呼ばれてコミュニティから排除されてしまう。けれども、ひとたび「空気」を味方につければ、どんなにスキャンダルが出ようとも、政治が不公平でも、政権は批判を浴びない。相変わらず高い支持率を誇る安倍晋三首相は「空気という妖怪」を手なずけているらしい。

〈通常「空気」は、このような人工的操作によって作られるものではなく、言葉の交換によって、無意識のうちに、不作為に、いわば自然発生的に醸成されるから「空気」なのだが、それは、ある種の意図を秘めた作為的な「人工空気」の醸成が不可能だということではない〉(前掲書)

 安倍首相は野党時代、この人工的操作による「空気」で強力な政敵を追い詰められるという“成功体験”を目の当たりにした。

 小沢陸山会事件だ。著書『誰が小沢一郎を殺すのか?──画策者なき陰謀』の中で日本社会を「偽りの現実が蔓延する社会」と指摘した比較政治学者のカレル・ヴァン・ウォルフレン・アムステルダム大学教授が語る。

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