「民主党政権が短命に終わった大きな原因が検察の陸山会事件捜査だった。選挙で政権交代を実現させた小沢氏には総理として日本を改革する資質も正当性もあったが、検察に執拗に捜査され、検察審査会が強制起訴、その間、マスコミも犯罪者扱いを続けたため民主党政権時代は政治の表舞台に登場する機会を奪われた。

 最終的に裁判で無罪となっても、マスコミは謝罪せず、国民も小沢氏を政治的に抹殺しようとした官僚、国家組織の行動を是としてしまった。その結果、安倍政権が登場したわけです。

 私が著書で〈偽りの現実が蔓延する社会〉を描いたのは、日本国民は、正しい情報を得ることなく“偽りの現実(オルタナティブ・ファクト)”を見せられていると感じたからです。安倍首相をめぐる2つの疑惑(森友学園と加計学園)が国民の怒りや政治的目覚めにつながらないという事実を見聞きすると、あの事件以来、日本社会は依然として偽りの現実で満ちたムードの中で目を覚ます機会を失ったままではないかと思える」

※週刊ポスト2017年6月16日号

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