1973年、ウォーターゲート事件の渦中にあったニクソンは、捜査を担当していた特別検察官たちを突如解任した。“土曜日の夜の虐殺”事件だ。
5月の突然のコミー解任で、ホワイトハウス前に集まった市民は「これは“火曜日の夜の虐殺”だ!」と叫び、トランプを批判した。トランプが、周辺へのFBIの捜査を妨害したのではないかと見られるからだ。
FBI長官の任期は10年。政権交代の影響を受けず中立な捜査ができるよう、長期に設定されている。任期途中で解任されるのは超異例である。
「理由は単純だ。良い仕事をしていなかったからだ」
トランプは解任理由を聞かれ、そう語った。これこそ大統領お得意の「フェイク」だ。数多くの大統領を見てきた経験から言えば、トランプは限りなく「クロ」に近い。