日本人は、いざとなったらアメリカが北朝鮮をぶっ潰して守ってくれると思い込んでいるようだが、トランプは日本を守る気などまったくない。そもそも、東アジアの安全保障にコミットするつもりもないだろう。だから、「金正恩と会う」とか、「金正恩をアメリカに招待する」などと言えるのだ。
本連載の前号でも指摘したが、トランプの外交・安全保障政策には、まったく一貫性がない。娘のイヴァンカが「アサドは化学兵器で子供を殺している。アサドを攻撃すべきだ」と言えば、シリアを空爆する。軍が「北朝鮮に空母を派遣すべき」と言えば、カール・ビンソンを出す。
哲学がなく、歴史も知らないから、軍や側近の言うがままに操られているのだ。
※SAPIO2017年7月号