2日間のソウル取材で多くの韓国人と接し、前述した以外にも青瓦台周辺などを歩いて感じたのは、一般民衆は「落ち着いている」ということだった。
「歴史館」などを別にすれば、街中で反日ムードが高まっているという印象はなく、文在寅新大統領へ求める政策も「反日」より「経済」だという人が圧倒的だ。おそらく、朴槿恵退陣を求めた国民的デモとその後の政治空白に疲弊し、新大統領が決まってホッとしているというところではないか。
ただし、油断はできない。反日的な教育は今も続いており、経済政策に失敗すれば民衆の不満の矛先は必ず日本に向くはずだ。日本は、「面倒な隣国」の機嫌を取る必要はない。淡々と、事務的に付き合っていけばいいと思う。
【PROFILE】1952年、アイダホ州生まれ。1971年、初来日。カリフォルニア州弁護士。1983年、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、人気に。近著に『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』『日本人は「国際感覚」なんてゴミ箱へ捨てろ!』がある。
※SAPIO2017年7月号