第二の偶然は、ソウル中心部の光化門広場で見た。観光名所となっている世宗大王像だ。世宗大王は李氏朝鮮第4代国王で、ハングルを作ったことで知られる。その像が、花などで飾り付けられていた。聞くと、取材当日の「5月15日」は韓国では「師匠の日(先生の日)」であり、それは世宗大王の誕生日に設定されたものだったのだ。
韓国人の間では「師匠の日」は誰でも知っている記念日で、目上の人に特に敬意を払う日らしい。韓国で儒教が大きな影響を持っていることがここからもうかがえる。
目上の人や先生に敬意を払うことは悪いことではない。問題は韓国の場合、儒教の上下関係を重視する考え方が中華思想と結びついて、「中国が世界の中心、それに近い韓国は優れており、もっと遠い日本は劣っている」という考え方に支配されていることだ。だから彼らは日本を貶め続けるのである。
2日目は、朝から「西大門刑務所歴史館」を訪れた。「朝鮮統治時代の独立運動家を収容した施設」で、韓国はその後も刑務所として利用し、現在は“いかに日本が残虐なことをしたか”を宣伝するための拠点になっている。高速道路のちょっとしたパーキングエリアほどの広い駐車場には、夥しい数の観光バスが駐まり、施設内では中高生が列をなしていた。
「ここで多くの拷問が行われた」と説明したのは、同歴史館のボランティアガイドだ。日本に留学経験があり、日本語はペラペラだった。
第三の偶然は、同ガイドが、鳩山由紀夫氏が歴史館を訪れ土下座した際に説明した人物だということだった(ガイドは現場の前で、「あれは土下座ではなく、謝罪の意を示すために座っただけ」と説明していた)。