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「ちょいマシ」なおっさんに見られるための寸止め会話術

 押さえておきたいポイントは、次の3つ。

その1「繰り出すなら堂々と、心から楽しそうに語るべし」

その2「油断しての深入りは禁物。寸止めと腹八分が肝心」

その3「後から言い訳して、自分を守ろうとするべからず」

 4、5人の飲み会でも1対1でもいいんですけど、たとえば、歯医者さんに行ったときに頭部で歯科衛生士さんの胸のふくらみを感じたことがあるか、といった話題になったとします。蛇足ですが、理髪店で顔を剃ってもらうときに理容師さんの……でもかまいません。

 まずは、その1「繰り出すなら堂々と、心から楽しそうに語るべし」。下ネタの流れになったときに「女性の前で、こういう話はどうかと思うけど」と前置きを付けるようなおっさんは、おっさんの風上にも置けません。そう言われたら女性としては、まあ嫌がるのも野暮だしと思って黙って聞いていたら、結果的に下ネタ好きを宣言したみたいになってしまいます。あくまで堂々と繰り出すのが、おっさんとしての矜持と言えるでしょう。

 そして、下ネタで好印象を与えたかったら、心から楽しそうに語ることが大切。おっさんが「俺、こういう話題は苦手なんだよね」というポーズを取っても、誰も「シャイで素敵」とは思いません。心から楽しそうにものすごく幸せそうな表情で語って、「しょうがないなあ」と呆れてもらいつつ、うっかりかわいげを感じてもらうのが唯一の活路です。

 続いて、その2「油断しての深入りは禁物。寸止めと腹八分が肝心」。おっさんと近い年代のご婦人方にせよ、うら若い娘さんたちにせよ、少しぐらいはおっさんの下ネタに付き合ってあげようというやさしさや、堅物と思われたくないという気持ちがあるので、ほとんどの場合は露骨に不愉快そうな顔をしたりはしません。

 しかし、拒絶されないからといって、油断してどんどん深入りしていくのは、おっさんとしてウカツすぎます。歯科衛生士さんの胸の感触から病院モノAVへと話題を発展させたいと思うこともあるでしょう。しかし、頭の中で慎重すぎるほど慎重に検討して、ほんのわずかでも「今、それをするのは危険だ」と判断したら、潔く下ネタを打ち切るのがおっさんの勇気です。常に寸止めと腹八分を心がけ、そして寸止めと腹八分にこそ深い悦びを見い出しましょう。我慢は人のためならず、です。

 その3「後から言い訳して、自分を守ろうとするべからず」も、くれぐれもお気を付けください。その1で腰の引けた前置きの愚について述べましたが、下ネタが終わってからも同じ罠が待ちかまえています。さんざん語っておいて「なんだか下ネタになっちゃったね。いやあ、飲み過ぎたかなあ」なんて言うのは、本人は紳士ぶって好感を得ようと思っているのかもしれませんが、強烈なおっさん臭さを感じさせる効果しかありません。

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