その目標をするためには「監査」が必要だと勝谷さんは述べます。つまり、県民が払った税金がいかにして使われたのか、儲かったのか? ということを県民に示すことが必要だということです。
〈惰性で垂れ流している死んだお金を、未来、将来のために活用する。すると、まちがいなく「明るく楽しい兵庫県」になるのです。私は知事という「名前」が欲しいわけではなく「監査」ができれば、それでいいくらいのつもりでいます。〉
現在の喫緊の課題としては、「厳しい財政状況」「情報発信力の不足」「県政の凋落」の3つを掲げ、細かい取り組むべき課題も多数挙げています。正直、あの酔っ払いの勝谷さんがこんなことを考えていたのか! と驚く面も多かったのですが、もしも通ってしまったらあぁ、遠くへ行ってしまうのかなぁ、という若干の寂寥感も持ちつつ、勝谷さんの「目標」である「明るく楽しい兵庫県」について勝手にその思いを汲み取ってみます。
◆会ったその日に焼肉をおごってもらった
元々、私が勝谷さんと知り合ったのは2009年4月のことでした。『ウェブはバカと暇人のもの』という本を出したのですが、売れ行きは良かったものの、ブログ以外ではとんと書評が書かれない。それまでの「明るいインターネット」とは真逆の「カオスなインターネット」について書いただけに、これまでネットを礼賛してきたメディアにとっては紹介するわけにもいかなかったのでしょう。そんなところで突然来たのが「日経パソコン」でコラムを執筆していた勝谷さんからの取材依頼でした。
取材当日、東京・麹町の勝谷さんのオフィスが入ったビルのロビーでお会いしたのですが、会うなり「いやぁ~、痛快だったよ! やっと本当のことを書く人が出たかと思ってさ! いやぁ、面白かった!」と言い、基本的にはひたすら私の生い立ちやら最近考えていることを聞くだけという取材になりました。ネットの話などほぼしていません。そして、終わったところで「ところで淳ちゃん、腹減ってる?」と言うではないですか。そこで、「減ってます!」と言ったら「よし、焼肉食べ行こう、プロレス好きが集う焼肉屋があるんだよ」と言います。
ライターと勝谷さんと3人でタクシーに乗り、焼肉屋まで行ったのですが、ワンメーターでした。当時は2kmで710円だったのですが、1000円札を出した助手席の勝谷さんは「お釣りはいいですよ」と運転手に言います。運転手は「こりゃま、まぁ、どうも、ありがとうございます」と言ってました。勝谷さんは普段から1000円以下の場合、お釣りはもらわないようにしているとのことです。私などケチなものですから、290円のお釣りをもらっておけば500mlの缶ビールを買ってお釣りがくるじゃないか、などと思い、そのことを口にしたのですが、勝谷さんはこう言いました。