「同級生の多くが就職留年や留学を選択し、卒業式にはほとんど出席しませんでした。私は運良く、卒業後に希望通りの職を見つけましたが、給料が安いだけでなく、毎日残業で帰宅は深夜。学生時代に付き合っていた彼氏とも音信不通になってしまいました。今は職場を辞めて、大学院を目指しています」
2014年頃になると、三放世代は「人間関係」と「マイホーム」も放棄した「五放世代」と呼ばれ、翌2015年にはさらに「夢」と「就職」を放棄した七放世代となった。この間、学生たちは友人付き合いもままならないほど、余裕がなくなっていったようだ。
現在、ソウルの中堅大学に通うパク・ジョンヒョンさん(仮名)はソウル市内の居酒屋で自身の生活をこう語った。
「バスや列車を乗り継ぎ片道2時間以上かけて通学してくることは、僕の周りでは当たり前です。自分の場合は3時間ちょっと。実家はそんなに裕福ではないので、バイトをして自分で学費を稼いでいます。バイト先は時給が良いソウル市内。家に帰るのは深夜1時近くで、それから毎日のように出される課題を片付けるので、寝るのは夜中の3時近くになります」
そこまで苦労して卒業しても、すぐに就職できるわけではない。多くの学生は卒業後、“就職準備生”となる。ソウル市内の大学で教鞭をとるキム・サンウンさん(仮名)が語る。