記事とともに同社が入手したとされる建造中の空母の写真も加盟社に配信、産経新聞などが掲載したが、これが“虎の尾”を踏んだというのだ。
写真は計5枚で、仕上げの塗装工程に入った船体部や空母の全貌を捉えたものもあった。いずれも高精細のデジタル画像で、秘密のベールに包まれてきた中国の国産空母を白日の下に晒したという意味ではスクープ写真といっていいだろう。
これに過敏に反応したのが中国メディアだった。中国の最大手ニュースサイト「新浪」は、その3日後に〈日本人は軍事スパイだ〉のタイトルで記事を配信。その中で〈共同通信による写真盗撮行為は、中国の海軍力増強に対する日本の不安の裏返しだ〉と非難した。
12月28日には、中国人民解放軍・総政治部傘下の『中国国防報』が一面で追撃。〈中国空母の鮮明な画像が日本から流出〉との見出しのもと〈空母の外観はもちろん構造や艦橋、配備されている武器まで写っていた。(中略)空母とは国家の要である。中国で空母を違法に撮影することは厳しく禁じられている〉と強く批判した。前出の相馬氏が言う。
「共同通信の記事配信後、海軍基地のある中国各地で当局による監視体制が強化されました。この“戒厳令”によって、6人の無関係な一般人が拘束に繋がった可能性は高い。もちろんこれは習近平主席の厳命によるものでしょう。それほど、写真は中国にとって痛手だったということです」