国内

前川前文科次官の“隠し玉”は新国立建て替え問題の闇か

渦中の前川喜平氏はまだ「隠し玉」を持っている?

 安倍政権は「2つの武器」を手に霞が関官僚全体の“生殺与奪の権”を握ろうとしている。官邸(内閣官房)に「内閣人事局」を設置して各省幹部の人事権を掌握したことと、特定秘密保護法の制定だ。若手キャリア官僚が語る。

「前川(喜平・前文科次官)さんは現役の事務次官当時に官邸に身辺調査をされて出会い系バー通いの事実を掴まれていた。そんなことが可能になったのは2014年12月の特定秘密保護法の施行で特定秘密を扱う各省幹部が『適性評価』の対象とされたからです。安倍政権はいわば身内であるわれわれ官僚が何もしなくても当局に動向を見張らせ、いざ逆らったときは情報を脅しに使っている」

 それだけに文科官僚の一部が加計学園問題で決死の反撃に出たことへの共感が霞が関全体に広がりつつある。

 官邸が怖れているのは第2、第3の“官僚砲”だ。これまでは次々と“文書”が飛び出してきたが、加計問題では「録音音声」の公開という最終爆弾が飛び出すとの見方がある。

「文科省がいくら文書を出しても、官邸側は“そんな発言はしていない”と水掛け論で逃げている。しかし、最近は役所でも政治家や秘書に働きかけを受けた場合は、身を守るためにICレコーダーで録音を取って証拠を残しておくケースが多く、文科省の局長らが萩生田官房副長官と面会した時のやりとりなどを録音していれば、総理のご意向と官邸の関与の決定的証拠になる」(内閣府官僚)

 疑惑が東京五輪利権に飛び火する可能性もある。文科省の反乱官僚の“後見人”でもある前川前次官は2015年に官邸が東京五輪メイン会場である新国立競技場の建設計画を全面的に変更した際、『整備計画経緯検証委員会』の事務局長を務め、設計と入札やり直しの舞台裏の全てを知る立場にあったからだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン