「新国立の建て替え問題の闇は前川氏にとっていわば“隠し玉”だろう。官邸の報復人事で省内の前川派官僚が処分されるようなことになれば、新たな告発が飛び出すのではないか」(同前)

 文科省だけではない。財務省は「廃棄」した森友学園への国有地格安売却の交渉記録を“偶然”発見するだけで官邸に大痛打を与えることができる。厚労省は年金運用、農水省は農協改革、経産省はロシア支援や対米交渉などで火種を抱え、官邸への不満がくすぶっている。

 第1次安倍政権は官僚の天下り規制を進め、結果、反発した霞が関から「閣議で大臣が総理に挨拶しない」といった官邸崩壊の実情がリークされ、求心力を失っていった。

 そのトラウマから官僚支配を強めた安倍官邸だが、政権が弱体化したとみれば、森友問題では官邸を守る“汚れ役”に徹した財務省を含め霞が関全体が支配権を取り戻そうとスクラムを組むはずだ。文科省と官邸の戦いはその流れを決める“大勝負”なのである。

※週刊ポスト2017年7月7日号

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