芸能

2度転院していた小林麻央さん、がん治療法選択の難しさ

2度転院していた小林麻央さん

 2年8か月にわたる闘病生活のすえ、旅立った小林麻央さん(享年34)。麻央さんの命を奪った根本である乳がんが発覚したのは2014年10月のこと。そのときすでにリンパ節への転移も確認された。当時、麻央さんが通っていた都内のA総合病院では、「早めに切るべき」という治療方針が示されたというが、麻央さんと夫・市川海老蔵(39才)は切らずに治す方法を模索していた。

 昨今、セカンドオピニオンという言葉の広まりから、より自分に適した治療を受けられる選択肢が格段に増えた。医療関係者が語る。

「世界中のがん治療の統計によって導き出された最も有効とされる治療のガイドラインでは、切除(手術)・薬物・放射線治療が『標準治療』の3本柱とされています。程度の差によって、これを組み合わせていくのが治療の基本です。ところが、ネットなどに膨大な医療情報があふれている現在では、この標準治療を“最低限の治療”と誤解している人も少なくない。お金さえ出せば、ゴッドハンドと呼ばれる医師の元を訪ねれば、別の“特別な治療”を受けられるのではと考え、いつまでも治療方針が定まらないケースもあるのです」

 ある著名な女性医師は、次のように警鐘を鳴らしている。

「標準治療というネーミングが悪いイメージにつながっているのではないか。特に有名人の場合、標準治療とは一線を画した“スペシャルな治療法”が残されているのではないかという考えに陥ってしまうケースもある」

 芸能関係者が明かす。

「麻央さんのがんが発覚した前後に海老蔵さんが知り合った人の中に、切らないでがんを治す自然治癒や免疫療法を提案する人がいたそうです。しばらくはその人の方針に従って、数百万円の治療費をかけたと聞いています」

 望むような治療方針を示されなかった麻央さんが転院したのはB病院だった。同院もまた、都内にある屈指の大病院といっていい。

「最先端の放射線治療や抗がん剤投与を受けながら、『緩和ケア科』に通い、QOLを優先した治療を受けていたそうです」(B病院関係者)

 2016年7月には、さらに別の都内の有名大学付属のC病院に移っている。3つの病院はいずれも日本の最高峰の医療を受けられる大きな病院だが、乳がん治療に詳しいベルーガクリニック院長の富永祐司氏(乳腺外科)は「大病院を3つも変えるというのは、非常に稀なことというほかありません」と指摘する。

 2度の転院は、麻央さんと海老蔵の揺れる心を表していたのかもしれない。その陰には、当時、医療界に吹き荒れていた風潮が影響した可能性もあるのだろう。

 元慶応大学医学部講師の近藤誠医師が2012年12月に著した『医者に殺されない47の心得』は110万部を超えるベストセラーになった。近藤氏はがんを「積極的に放置」する治療法の第一人者といえる。

関連記事

トピックス

ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
鷲谷は田中のメジャーでの活躍を目の当たりにして、自身もメジャー挑戦を決意した
【日米通算200勝に王手】巨人・田中将大より“一足先にメジャー挑戦”した駒大苫小牧の同級生が贈るエール「やっぱり将大はすごいです。孤高の存在です」
NEWSポストセブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン