「地方自治は二元代表制。互いにチェックし合ってほしいと住民が知事を選び、都議会議員も選ぶ。あまり知事与党ばかりになってしまうと、チェック機能がなくなってしまう恐れがある」
一見、正論のように聞こえるが、前々回の都知事選で都議会で圧倒的多数を持つ自公が舛添要一氏を支援した時に、「知事与党ばかりになる」という批判は見られなかった。前出の田島教授は政府広報に飛びついたメディア側の事情をこう語る。
「テレビ局はスポンサーからの広告料が減り、新聞は発行部数が落ちてどこも経営が苦しい。政府広報は取りっぱぐれがない確実な収入源だからメディアにとって非常においしい。そうした広告に縛られると、メディアは政府と適正な距離をおいて批判することができなくなる」
※週刊ポスト2017年7月14日号