「今回はみなさまだけの特別メニューですよ。『うざく』から始まって、お椀はすずきとじゅんさい、それから『ごま豆腐』、そして『牛のたたき』。もうすぐ七夕さまですから、彦星と牽牛にちなんで『牛のたたき』をお献立に入れてみました。お食事はたたき梅ご飯、かぼちゃの甘煮。みそ椀はアスパラガスを生のまま使います。旬だからこそかなうお椀ですね」(ばぁば)
「まぁ、アスパラガスをおみそ汁に?」(香川汐子さん)
「そう、ちょっと青くさいところが八丁みそとよく合うのよ」(ばぁば)
次は練りごまを使った自家製ごま豆腐。足を踏ん張り、鍋のごまを練る姿に「ごま豆腐って、自分でも作れるんだ…」とつぶやく読者たち。
のちの実食では全員が、「すごく口当たりがやわらかで、“無添加”を実感しました。市販のものと全然違う」と驚く宮下さんに同感だった。
「時ならぬものが溢れ、スーパーに行けばお総菜コーナーに何でもあるご時世ですが、だからこそ、手作りできるものは労を惜しまないでいただきたいの。上手にできなくてもいいの。作るうちに上手になるから」(ばぁば)
この後も、料理のポイントとともに「生わさびは葉を落として、葉先から下ろすんですよ。葉は捨てずに刻んでゆでてご飯に混ぜてもおいしいのよ」「和えものをする時など、両手でわっとつかむわしづかみはダメよ。無様でしょう? でも片手にお箸があり、手を添えるのはいいの。美しい料理は美しい所作から…ですよ」と語りかけ、時に「私はね、えびの頭を落とす時は、必ず『なんまいだ~、なんまいだ~』と念仏を唱えるの」と笑わせながら進行。2時間にわたる料理講義は終わった。
撮影/坂本道浩
※女性セブン2017年7月27日号