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幻視、暴言、妄想など…家族に認知症の症状が表れた時の対応

認知症のよくある症状への上手な対処法は(イラスト/アフロ)

 日本では2025年には認知症の人が700万人を突破すると予測され、65才以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になると言われている。もし家族に認知症の症状が表れたら? よくある症状の上手な対処法を専門家への取材を基にお伝えします。

●何度も同じことを言う
 同じことを言っていることには触れず、できる限り同じ相づちを。疲れたら別の話題を振ったり、さり気なくその場から離れるのも手。

●ものを盗られ妄想
「困ったね」と、探しものが見つからない事実だけを受け止める。できれば一緒に探し、先に見つけても、本人が見つけるようにし、見つかったことを喜ぶ。

●家に帰ると言い出す
 自宅にいても、古い記憶の自宅に帰ろうとすることがある。「一緒に帰ろう」と誘って近所をひと回りしたり、「今日は遅いから明日にしよう」とやんわりかわす。

●ものを隠す、しまい込む
 食品をクローゼットに、衣類を冷蔵庫に、また外から空き缶や石などを集めてきて家の中にしまい込むような、傍目には不可解な行動がある。本人は正当な理由があって行っているので、理由は追及せず、本人がその場を去ってから片付けを。

●幻視
 レビー小体型認知症によくある症状で、実在しない人や動物などが目の前に見える。担当医師とも連携し、認知症が原因であることをきちんと説明すると安心できる。また部屋を明るくしたり、幻視のきっかけになりそうなカーテンの柄や家具などの配置を変えることで改善する場合も。

●暴言、暴力、興奮
 自分の苦痛をうまく説明できなくなったり、感情の抑制が難しくなったりするのも、認知症による機能低下。原因を問いただしたり、興奮を抑え込もうとしたりせず、「ごめんね」と声をかけてその場を離れ、少し時間をおくとよい場合も。続く場合は医師に相談し、一時的な入院や介護施設のショートステイなどを利用し、距離をおくことも検討しよう。

※女性セブン2017年7月27日号

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