そして元女子学生は、覚醒剤を「売る側」に回るのだ。客を店に連れ込むと、まず酒を提供する。客に酔いが回ってくると、「肌を大胆に露出した姿で」客の隣に座り、薬を鼻に当てて吸う。そして、その様子を眺める客にも勧める。
「客の気分が高揚してくると、女はまた吸う。さらに客には、錠剤(覚醒剤)も服用させる。客はここまで来ると、すでに我慢の限界だ。女と2人で午後8時から翌朝8時まで性行為にふけった。男はその後、3日間は起きることができなかった。目が覚めると、薬を求めて、再び女を訪ねていた」(同)
元女子学生はこのようにして、多くの男を薬漬けにして一晩に30万、40万ウォンを稼いでいたという。30万ウォンと言えば、北朝鮮市民の月給の40倍前後に当たる高額だ。北朝鮮で製造される覚醒剤などの麻薬は2000年代後半まで、中国への密輸を経由して世界に売りさばかれた。しかし、中国は近年、国境を通じた密輸に厳しく目を光らせている。
朝鮮中央通信は2011年2月、中国の公安国境警備隊が、その前年に麻薬の密輸阻止を強化し、国境地域で計2153件の事件を調査・処理し、2883人を逮捕、各種の麻薬約4tを押収したと報じた。
自国の恥ともいえる内容を、北朝鮮が報道するのは極めて珍しい。中国側の強い発表要請があったのだろう。それだけ、取り締まり強化を求める中国の圧力が厳しいということだ。