近年、50代以上対象のお見合いパーティーは急増しているが、「68歳以上限定」は前例がなく、“業界最高齢”だという。パーティーの開始直前、『森羅倶楽部』代表の阪本英嗣氏はこう説明した。
「4月に初めて68歳以上限定のパーティーを初開催したところ、男女合わせて26人の参加がありました。各年代のイベントで男女各10人程度を定員としていますが、すぐに埋まってしまう。参加者の9割に婚姻歴があり、内訳は離婚が7割、死別が3割です。独身の方々に人生の終幕を幸せに過ごしていただくことがコンセプトです」
参加者は3万円からの入会費を払った会員が中心だが、参加料3500円を払えば非会員も参加できる。この婚活パーティーには高齢者向けイベントならではの様々な配慮がある。
「パーティーは68歳以上限定と謳っていますが、あえてプロフィールに年齢を書かないようお願いしています。年齢が書かれていると、年齢だけを見てしまう。まずは先入観なく人柄を見ていただき、マッチングした後にスタッフが年齢をお伝えすることにしています」(同前)
女性たちが会場を出る際、みな男性陣ににこやかに手を振っていた。しかし、その胸中には様々な思いがあったはずだ。パーティーを終えた73歳の男性が語った。
「この会に参加することで、ファッションを気にするようになった。現役時代は日経新聞しか読まなかったが、会話のネタ探しにワイドショーも見るようになりました。気に入った相手が好印象を持ってくれると嬉しいし、夢を見させてもらっている気持ちです」
パーティーへの参加そのものが生きる活力となっているという感想だ。