国際情報

米中経済対話は“失敗” 中国代表団トランプ氏に接見できず

中国とは距離を置き始めた?(トランプ氏Facebookより)

 米中両政府が7月中旬、トランプ米政権発足後、初めて開催した閣僚級の包括経済対話は米側が「貿易赤字削減という共通目標を中国も認識した」などとする声明を発表。さも成果があったような形で終了したが、実はトランプ大統領が中国側代表団とも会見せず、記者会見も直前になって急きょ中止に追い込まれていたことが明らかになった。

 会議はワシントンで行われ、トランプ氏もホワイトハウスで執務していたにもかかわらず、中国側代表団と会わないのは極めて異例。これまでの会議では必ず米大統領が接見しており、「今回の対話は完全に失敗で、米側が中国製鉄鋼の輸入制限を主張するなど、米中による全面的な経済戦争に発展する可能性が出てきた」(ロイター通信)との予測も伝えられている。

 米中関係については、トランプ氏は大統領選期間中、厳しい中国批判を連発していた。だが、大統領就任後の4月、トランプ氏が習近平国家主席をフロリダ州の別荘に招いて、初の首脳会談を行った際、「習氏は非常に信頼できる」などと持ち上げ、北朝鮮問題と経済対話で原則合意していたことから、米中蜜月(ハネムーン)ムードが漂っていた。

 さらに、5月には貿易不均衡是正問題で、10分野で合意したほか、中国側が米国産牛肉の輸入を14年ぶりに再開するなど、一気に米中両国間の外交や経済貿易問題の解決への期待が高まった。

 だが、トランプ氏が中国による北朝鮮への圧力が「不十分」などと不満を表明してから雲行きが怪しくなり、今回の経済対話でも成果の文書の発表を見送るなど「実質的な物別れ」と伝えられた。

関連キーワード

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン