また、国政に目を転じると、もはや安倍政権は「もり(森友学園)」と「かけ(加計学園)」の忖度問題や相次ぐ閣僚の失言、安倍チルドレン2回生の不祥事によって“詰んでいる”と思う。報道各社の世論調査では支持率が「危険水域」とされる30%を割り込んでいたので、ここから先は安倍首相が弁明すればするほど国民は不信感を募らせ、いっそう窮地に追い込まれて自滅していくのではないか。
それだけに、機を見るに敏な小池知事が次の総選挙で国政に打って出る可能性は高いだろう。その場合、かなりの票を集めることができるかもしれない。だが、仮に小池新党ブームが起きたとしても、やはり1回きりだと思う。
この「新しい政治ブームは選挙1回で終わる」という現象は、細川護煕氏の日本新党の時も、民主党が大勝して政権交代を果たした時も、橋下徹氏の大阪維新の会の時も同じだった。
そろそろ国民はブームに左右されることなく、一人ひとりの政治家の資質と能力、そして何よりも政策を吟味して投票するようにならねばならない。そうでないと、日本はいつまでたっても4年ごとにジグザグを繰り返して衰退していく“政治三流国”のままだろう。
※SAPIO2017年9月号