ライフ

【著者に訊け】「ポケモンGO」を作った男性が成功するまで

ポケモンGOの仕掛け人が語る

【著者に訊け】野村達雄氏/『ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる』/小学館集英社プロダクション/1200円+税

 表題の『ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる』には、幾つもの省略がある。ど田舎といっても中国のど田舎で、著者・野村達雄氏が旧満州の残留日本人を祖母に持つ旧名「石磊(シーレイ)」少年であること。9歳で来日後は新聞配達に励み、日本のゲームに魅せられ、大学院ではスーパーコンピュータ、グーグル・ジャパンに入社後はグーグルマップの開発に従事するなど、『ポケモン GO』のゲームディレクターとなるまでには長く波瀾の道程があった。

 現在米ナイアンティック社に籍を置き、サンフランシスコに住む彼は、その半生を綴った理由をこう語る。

「今の若い人にレールに則らない選択肢もあるって、勇気づけられる本になればいいなと思ったんです。僕から見ると日本は本当にいい国だし、新しいことに挑戦できます。これはこの上もない幸運なのです」

 カバー写真や、2016年7月、『ポケモンGO』を世界に放った際の写真にしても、笑顔に屈託を感じさせない。

「これですか? この写真は『ポケモンGO』の公開ボタンを僕が押すふりをしてチームのみんなが笑ってるシーン。だから正確にいうと、押す前です(笑い)」

 各章題にも〈冗談と本気〉〈趣味と労働〉等、一見相反する言葉が並び、それらが拮抗してこそ、7億5000万ダウンロードを数える『ポケモンGO』は生まれた。その開発秘話を自らの言葉で綴る本書でも、率直で思慮深く、クールにして熱い姿勢が印象深い。

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン