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2017.08.25 07:00  週刊ポスト

【著者に訊け】「ポケモンGO」を作った男性が成功するまで

◆ゲームを通じてリアルを変える

 1997年、一家は長野に転居。信州大工学部、東工大大学院へと進んだ野村氏の、お金に関する感覚が面白い。コンピュータの基本原理を大学で学ぶ面白さに目覚めた彼は、ふと思い立って全てのバイトをやめ、奨学金を借りることを選ぶのだ。〈社会人になってから、20歳のときの貴重な時間を1時間1200円で買い戻そうとしてもできないということに気づいたのです〉

「今考えてもあれは正しい気付きだったと思っています。奨学金は、未来の自分が20歳の自分の時間を買っていると考えると、とても安いように思いますし、あの時は自分の好きなことを学ぶ時間が一番欲しかった。本書にもプログラミングの基本原理をできるだけわかりやすく書いたつもりです。自分が好きなものは、人にも好きになってほしいですから」

 そしてインターンを経て、入社したグーグル社でグーグルマップの開発に携わる。彼は2014年、エイプリルフールの企画としてグーグルマップ上でポケモンを集める「ポケモンチャレンジ」を企画。人の興味をひいて、説得して、手伝ってもらう。入念な準備と情熱で周囲を巻きこんでいく様は、自ら「石磊」の石を投げ、波紋で人を動かす、〈Leading by influence〉そのものだ。

 さらにこの企画がナイアンティック社、ジョン・ハンケ氏との出会いを生み、〈人が外に出て、人同士でつながったり、身の回りのことを知ると世界がもっとよくなる〉との信念を具現化した位置情報ゲーム『イングレス』との交点に、『ポケモンGO』は誕生する。

「ゲームを通じて人を外に連れ出し、リアルをも変えようとするジョンのコンセプトは僕も物凄く面白いと思ったし、実際に家に引きこもっていた人が他人と交わるようになったとか、ポジティブな話を耳にするのはとても嬉しいことです。

 一方で安心、安全にプレイいただけるように努めるのも僕らの仕事。一定以上の速度で移動するとポケモンが出ない機能をつけたりしました。これからもやるべきことは尽きません」

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