ライフ

高齢者のがん、「治療しない選択肢」提示時の慎重な言葉

治療法がない時、医師は…(写真・時事通信フォト)

 がんの3大療法は「外科手術」「抗がん剤治療」「放射線療法」だが、高齢者にとっては、副作用や手術の肉体的負担など、いずれもハードルが高い。実は75歳以上のがん治療には統一された「治療ガイドライン」が存在せず、「治療しない」という選択をする人も多い。では、医師は何を基準に高齢者の治療方針を決めるのか。各医療機関に共通する基本的な考え方は以下のようなものだ。

●年齢はあくまで「目安」
●持病(合併症)はあるか
●日常生活に制限があるか
●本人に治療・手術の意思はあるか

 高齢者ほど様々な合併症のリスクが高いわけだが、「年齢」だけが物差しではない。手術に耐えうる健康な80代もいれば、糖尿病や高血圧など様々な持病を持つ「体力のない65歳」もいる。そのため医師は年齢ではなくあくまで検査結果や問診を判断の中心に据える。

 またQOL(生活の質)を考えると、日常生活がどこまで可能かは大きな基準になる。日本肺癌学会理事長で、近畿大医学部呼吸外科の光冨徹哉・主任教授がいう。

「私が参考にしているのは米国の腫瘍学団体が定めた『パフォーマンスステータス(PS)』という日常生活における制限を0~4の5段階に分類する指標です。手術を行なうには、少なくともPSが2(歩行可能で身の回りのことはすべて可能だが時に多少の介助が必要)以下であることが必要だと考えています」

 そして決め手となるのは「本人の意思」だ。

関連記事

トピックス

(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
裁判が進むにつれ山上徹也被告にも徐々に変化があらわれたという(写真/共同通信社)
《引き金を引くことを生きる目的に》山上徹也被告が法廷で初めて感じた“安倍元首相の命を奪った”という強烈なリアリティー 鈴木エイト氏が傍聴席で見た“犯人の実像”
週刊ポスト
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
NEWSポストセブン