「稼ぎ頭の羽田はこれ以上枠を増やせないために、現在出ている神戸や茨城の空港をうまく活用しながら、地方で需要の太い路線を飛ばさなければ利益の伸びしろは期待できないでしょう。当然、地方路線を増やせば収益性は落ちますし、またLCCとの価格競争も起きるでしょう。
スカイマークとしては小型機でも行ける近場の海外に活路を見出したいところでしょうが、それも西久保時代の苦い経験があるので、慎重にやらざるを得ない。当面は安泰の羽田線を軸に様子見の経営が続くかもしれません」(赤井氏)
そして、スカイマークが抱える最大の課題が、株主であるANAとの関係だ。
「ANAとしては羽田路線でかぶるスカイマークが低運賃を武器に搭乗率を上げ続ける状況は、自らの収益力を弱める結果にもなるので面白くないはず。そのため、共同運航便(コードシェア)などで運賃相場をコントロールしながら棲み分けを図りたいと考えているようだが、スカイマークは“独自性を保ちたい”と難色を示している」(経済誌記者)
経営危機を救ってくれた大事なスポンサー企業とはいえ、完全な支配下にはなりたくない──いまやLCCや中堅航空会社の多くがANA、JALの大手グループに入る中、スカイマークはどこまで「意地」を押し通すことができるか。2020年を目途に急ぐ再上場計画と相まって、まだまだ予断を許さない状況が続きそうだ。