ライフ

【怖い話】犬、亀、ハムスターが犠牲に…死を嗤う鳥の恐怖

毎年お盆にあの鳥が現れると…(イラスト/もりいくすお)

 先祖の魂が帰ってくるといわれるお盆。この世に思いを残して去った人々の魂が今年も戻ってきたようです──。50才の主婦Hさんが、自らに降りかかった世にも恐ろしい物語を明かしてくれました。

 * * *
 あれが再び現れたのは、お盆のさなか。その時の光景を今でも鮮明に覚えています。

 私たち一家は、2年前からとあるお寺にお世話になっています。というのも、うちの夫がリストラに遭い、職を探していたところ、たまたま知り合いだったお寺の住職から「それだったら、住み込みで墓守をしてくれないか」と頼まれたからです。

 墓守といっても、墓地の掃除や見回りが中心で、大したお金にはなりません。でも一家で暮らす場所が確保され、家賃もタダとなれば、ありがたい話です。私たちはその申し出を受け、お寺の境内にある離れの家で暮らし始めました。

 建物自体は古いのですが、お風呂、トイレ、台所はもちろん、居間と六畳の部屋もついており、私たち夫婦、小学生の息子の3人が暮らすには充分な広さです。

 これまではアパート暮らしだったのでかなえられませんでしたが、ここならペットを飼うことも可能。ちょうど、知り合いのところに子犬が生まれたというので、私たちの家族として迎え入れることにしたのです。

 夫は墓地の見回りがてら、犬を散歩させていました。すると何故か、墓の真ん中にある戦没者を祀まつる慰霊碑の前を通ると急に吠え出すのです。しかも唸るように…。

 そんなある夜のこと。墓地から、バサバサと鳥が飛んでくる音がしたのです。普段はめったに物音がしないので、私たちは驚いて目が覚めてしまいました。すると、次の瞬間、「クエー、クエー」と奇妙な鳴き声が聞こえてきました。

 何事かと思って、窓を開けると、戦没者の慰霊碑に1羽の鳥がとまっていました。それはカラスや鳩ではなく、これまでに見たことのないような鳥。尾っぽが長く、南国鳥のようにいろんな色が混じった不思議な姿をしていました。

「クエー、クエー」

 何かを嗤(わら)うように鳴き続けていたかと思うと、外にあった犬小屋からうめき声が聞こえてきました。すぐに犬小屋に駆け寄ると、犬が苦しそうに血を吐いて倒れていました。そして、「グエエ」と唸り、カッと目を見開いたかと思うとそのまま息を引き取ってしまいました。

 私たち家族は大変なショックを受けたのですが、夫は、何か生き物がいた方が気もまぎれるだろうと、ペットショップで亀を買ってきました。でも、亀が来たその日にも、謎の鳥が現れ、同じように、まるで嗤うように鳴き始めました。そして次の日、昨日まで元気にしていた亀が水槽の中で息絶えていたのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン