定年後に夫婦揃って地方へ移住し、田舎暮らしをするつもりだった58才のMさんも苦悩している。

「移住先で築45年の日本家屋を500万円で買いました。夫はそれを流行りのDIY(日曜大工)でリフォームしたいらしいけど、修繕しているというより壊しているというほうが正解。ドアは外れる、壁はムラだらけでとにかくヘタ。手に負えなくなるとホームセンターに頼むので、そのたびに5万円、10万円と出費がかさみます。これなら最初から業者に任せた方が安く上がったのに…。早くも老後の貯蓄が大幅に減って、怒りが収まりません」

「たかが趣味で」とあなどってはいけない。数十年連れ添った夫婦が趣味を理由に離婚危機にまで陥るケースは少なくない。前出の岡野さんが解説する。

「決定的な原因となるのは、趣味に端を発した“お金問題”がほとんどです。定年退職してもう年金収入しかないのに、夫の勝手な行動でどんどん老後のお金が減っていく。夫婦半々になるはずの財産が、放っておくと自分まで大損するかもしれない。夫の通帳を妻が管理できていない場合は特に、散財で夫婦のお金がいくら減っているかわからず、“このままでは自分の老後まで危ない”と思い、自己防衛のために離婚してお金を守ろうとする奥さんが多いようです」

 これじゃ奥さんがキレても仕方がない。

※女性セブン2017年9月7日号

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