語彙が豊富なホランは、どんなときもハッキリした口調で、やや食い気味にコメントする。実はこの“食い気味”というのは、ひじょうに難しく、やり過ぎると“出しゃばり”に見えてしまうし、相手との関係があまり良くない場合は、視聴者に緊張感を与えてしまいかねないのだ。
が、ホランと井上アナ、ホランと國山ハセンアナ、ホランと熊崎風斗アナ、ホランと天気予報の森田さん…、どのコンビも、やりとりがとてもうまくいっている。
岸井成格氏や与良正男氏の解説を聞く際も、ホランは顔を氏に向けて熱心に聞いている。興味の表し方がひじょうにうまく、媚びるような言動はゼロなのに、男性の共演者やスタッフから好かれ、一目置かれていることが伝わってくる。
このあたりも、女性視聴者にはストレートに伝わっているハズ。彼女と同年代のF1(20〜34才の女性)はもちろん、F2(35〜49才の女性)、F3(50才以上の女性)からの好感度も高いのは、「この子、なんか、うまいことやってそう」感がないからだろう。もともとの才能もあるのだろうが、努力したり勉強したりしている成果がオンエアの端々に表れている。
自分の役割もわきまえていて、長い手を使って20代の女性らしさを身体で表現することもあれば、目線もいつも決まっている。
バストアップも立ち姿も美しく、髪型は、女子アナでも珍しいショート。かと言って、夏目三久のようなモード感はなく、ファッションを含め、モードとコンサバのバランスも美しくとれているのがホラン千秋だ。
放送作家として、私には「出演者やスタッフが仲のいい番組の数字は必ず上がる」という持論がある。実は夕方ニュースの“2強”である『news every.』と『スーパーJチャンネル』は、報道局含めたスタッフや出演者たちに“ファミリー感”があり、とても仲がいい。“Jチャン”は竹内由恵アナが加わってから、さらに現場の雰囲気が良くなったと聞いている。
恐らく、『Nスタ』には、件の2強番組と同じような、いい空気が現場に流れるようになったのだろう。
そして、その空気を中心になって作っているのがホラン千秋というワケだ。私も夕方、TBSにチャンネルを合わせる日が増えている
『Nスタ』のホラン千秋起用は“大当たり”だった。