そんな中、夕方の新『Nスタ』の数字もスタート時と比べて確実に上昇中なのである。「トクするNEWS! Nスタ」の“トク”をメインキャスターの井上貴博アナが次のように解説する。ニュースをわかりやすく読み解くの“トク”、納得の“トク”、特ダネの“トク”、得する生活情報の“トク”だという。
井上アナは『みのもんたの朝ズバッ!』でサブを務めて鍛えられ、その後、みのに代わってメインに。『あさチャン!』『ビビット』を経て、堀尾正明氏の後、『Nスタ』メインとなった。局として「いろいろ経験させよう」ということだったのか、昨年末はバラエティーの特番で明石家さんまともタッグを組んだ。
井上アナをメインにしたということは、小林麻耶のときと同様、「若返り」を目指したワケだが、バラエティー専門アナだった麻耶ちゃんと、平日の帯番組を渡り歩いて来た井上アナとでは、何より視聴者の安心感がまるで違う。
実は、その井上アナが番組当初から「仕事がしやすい」「とても“心”のある方」「スキルとポテンシャルに日々助けられている」などと絶賛していたのが女性サブのホラン千秋だったのである。
14才でアミューズに所属し、女優業をしていたホランは、アイルランド人の父と日本人の母の間に生まれたハーフ。モデルが圧倒的に多い他のハーフタレントとは異なり、大学時代、全民放キー局のアナウンサー試験を受けたというから、当時からキャスター志向があったのだ。ニュース読みに定評があるのは、そのせいだろう。
また、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)、『シューイチ』(同)という硬軟の報道番組を経験し、いまのスタイルになる前から『バイキング』(フジテレビ系)にレギュラー出演。当初から坂上忍はホランが“大のお気に入り”で、きわどいトークに度々彼女を巻き込んでいた。
『Nスタ』のレギュラーになったのだから、バラエティー色が強い『バイキング』は降板するのではないかと思っていたのだが、曜日レギュラーとして出演し続けているホラン。
調べてみると、ホランは現在も、NHK総合、Eテレ、NHK WORLDからTOKYO MX、関西ローカルの読売テレビまで、知的に寄り過ぎず、バラエティーにも寄らない絶妙な番組選びをしている。
そのバランスの良さが、『Nスタ』でのポジションや井上アナとのやりとりに表れているのである。