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レーザーより低侵襲なスーパーグルーによる下肢静脈瘤治療

下肢静脈瘤について医師が解説

 下肢静脈瘤は、足の静脈の逆流防止弁が正常に機能しなくなり、様々な症状が出る病気だ。軽症では医療用弾性ストッキングで経過を診るが、静脈瘤がある場合は傷が小さく、日帰り可能なレーザー治療が2014年から保険承認されたが血栓を生じるリスクがある。欧米で普及しているのが、接着剤で血管内を閉塞する新治療だ。より低侵襲な治療として注目されている。

 足の静脈は、血液を心臓に戻す役割を担っており、重力に負けて血液が逆流しないよう、血管内に「ハ」の字型の逆流防止弁がついている。下肢静脈瘤は、何らかの原因で逆流防止弁が壊れ、血液が逆流し、血管内に溜まり(うっ滞)次第に静脈が膨らみ、外からはふくらはぎ辺りにボコボコと瘤のようなものが見えるようになる。患者は約1000万人と推計されており、長時間の立ち仕事や加齢、妊娠・出産などが主な原因とされる。

 症状が軽い場合は、医療用弾性ストッキングをはく「圧迫療法」や薬剤を注射する「硬化療法」などの対症療法を行なう。静脈瘤ができた場合は、血管内で行なうレーザー治療が2014年から保険承認されている。東京血管外科クリニックの榊原直樹医師に話を聞いた。

「レーザー治療は、血管内にカテーテルを挿入して行なうもので、従来実施されていた全身麻酔を用いて、静脈を引き抜くストリッピング治療に比べ、はるかに低侵襲な治療です。傷口は小さく、日帰りも可能です」

 レーザー治療は、血管内に熱をかけるため、血液が沸騰状態になるので、血栓ができやすくなる。このため、術後1か月程度は医療用弾性ストッキングを着用しなければならない。また治療時間は、6分半程度と短いが、血管内を焼くため、術後に皮下出血や痛みがあるので、鎮痛剤が不可欠だ。

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