「運動は大切ですが、『ジムに通わなければ運動ができない』という価値観では長続きしない。組織に守られない高齢者は“強制力”ではなく自主性が大切です。資格取得や語学の勉強でも同様ですが“自分ひとりでは続かないから”と月謝を払っても、結局通わなくなって無駄にしてしまう」
経済ジャーナリストの荻原博子氏は、家計の面からも同意する。
「語学学校やスポーツジムに通うには月額1~2万円かかる。老後資金によほど余裕がない限り、その支出を貯蓄に回したほうがいい。年間24万円貯金していれば、いざというときに当座の入院・通院費に充てられる。そちらのほうがよほど現実的に老後の役に立つ」
総務省「家計調査」(2016年)によれば65~69歳の1世帯あたりの保険医療費は月1万6291円。ほぼ同等の額をジムに支払う意味はあるか、吟味したほうがいいだろう。
※週刊ポスト2017年9月15日号