芸能

人気沸騰の講談師・神田松之丞「ストロングスタイルが一番」

芸歴10年、人気沸騰の神田松之丞(撮影:ヤナガワゴーッ!)

 まるで高座のハリー・ポッターである。神田松之丞が演目を読み始めると、凪のように静かだった客席が魔法にかかったようにザワザワとし、場内の空気が揺れ始める。大きな所作とよく通る声で徐々にテンポを上げ、張り扇を調子よくパパーンと叩く。膝を立て、汗を飛ばして盛り上げ、客の腰を浮かせる。

「なっ、なんとぉ~お時間になってしまいましたぁ~」

 さぁ、これからという時、スパッと話を切る。いきなりの喪失感とそれまでの充実感が混ざり、客は興味をより膨らませる。そうして初見の客を虜にしてしまうのだ。

「初見のインパクトが大きいんでしょうが、僕もそこでお客様を絶対に逃さないです」(松之丞、以下同)

「お客様は神様です」と言ったのは浪曲出身の歌手・三波春夫だが、松之丞も芸さえ精進すればいいという甘えを排除し、「絶対にお客様を置いていかない」ポリシーを持つ。そうして今や講談界で客を呼べる史上最強の二ツ目に成長した。

◆入門を決意した神田松鯉という奇跡

 松之丞が演芸に興味を持ったのは、高校2年の時だった。ラジオで六代目三遊亭円生の『御神酒徳利』を聴いて感動し、のちに立川談志の『らくだ』を聴いて鳥肌が立つほどの衝撃を受けた。談志が講談から影響を受けたことを知ると講談のCDを聴き、スケジュール帳が真っ黒になるほど寄席に通った。するとあることに気づいたという。

関連記事

トピックス

「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
悠仁さまの「加冠の儀」に出席された雅子さま(時事通信フォト)
《輝きを放つシルク》雅子さま、私的な夕食会で披露した“全身ゴールド” ファッション専門家「秋を表現された素晴らしい一着」
NEWSポストセブン
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
クイズ企画が人気を集めている『新しいカギ』の特番が放送される(公式HPより)
《1コーナーから2時間特番に》『新しいカギ』「高校生クイズ何問目?」が高校生から高い支持 「純粋にクイズを楽しめる」「負けても納得感」で『高校生クイズ』との違いも 
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン