開発に1兆円も使ったとされる「MIRAI」は、将来にわたって水素の供給基地を全世界に構築していかなくてはならない。結局、自分たちの成功体験に執着するあまり、自動車業界や株式市場のパラダイムシフトを読み違えているのではないか──。
かつての日本の敗戦とのアナロジー(類推)で言えば、組織が自己革新能力を失い、外部環境が大きく変わっても過去の成功体験に固執して適応することができなかった日本軍と同じ轍を踏みかねないのだ。太平洋戦争で全く活躍できずに終わった超弩級戦艦「大和」「武蔵」に象徴されるような“大艦巨砲主義”が、日本車メーカーに巣食っていないことを祈りたい。
※週刊ポスト2017年9月22日号