鈴木:だから神戸山口組としては、面子にかけてもう一度、織田代表を狙うしかないんですよね。問題は犠牲となる人間がこれ以上いるかどうかですが、やるしかないと思う。一方で、任侠山口組も暴力団である以上、ここで「返し」をしないと、抗争における“血のバランスシート”が保てなくなります。

溝口:古い暴力団のあり方を変えようとする織田代表も、「殺られたら殺りかえすのがヤクザ」という考え方自体は否定していません。

鈴木:いずれにしても両団体ともこのままでは収まりがつかないでしょう。

●溝口敦(みぞぐち・あつし)/1942年東京浅草生まれ。早稲田大学政経学部卒。『食肉の帝王』で講談社ノンフィクション大賞を受賞。『暴力団』『続・暴力団』(ともに新潮社)、『ヤクザ崩壊 侵食される六代目山口組』(講談社+α文庫)など著書多数。

●鈴木智彦(すずき・ともひこ)/1966年北海道札幌生まれ。『実話時代』の編集を経てフリーライターへ。『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文春新書)など著書多数。『全員死刑』(小学館文庫)が11月に刊行予定。

※週刊ポスト2017年10月13・20日号

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