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時として大きな賭けに出る小池氏 カイロ大入学式で匍匐前進

賭博師的な感性は父親譲り?

「最も高いところにあり、最も硬い『ガラスの天井』を私は破ることができなかった」。昨年11月、米大統領選に僅差で敗れたヒラリー・クリントン氏(69才)の弁だ。ガラスの天井──。それは、女性がキャリアアップしようとしても、社会に厳然と存在する見えない障壁に阻まれ、挫折せざるを得ないことを意味する言葉だ。

 だが、小池百合子氏は、日本において「最も高い」「最も硬い」ガラスの天井を、ついに破ろうとしている。古くは、女性初の衆院議長や政党党首を務めた故・土井たか子氏、最近では野田聖子総務相(57才)など、多くの女性が挑戦して破れてきた。小池氏の突破力の秘密はどこにあるのか。

 アラビア語が国連の公用語になると知った小池氏は、19才で単身、海を渡ってエジプト・カイロに留学した。

「40年も前、エジプトに日本人が渡るのは珍しい時代で、しかもまだ10代の女性。そんな彼女の留学を後押ししたのがお母さんでした。“女だからこそ冒険しなさい”と。その後、お母さんはカイロに旅行したときに食べた“まずいすき焼き”が不満で、カイロの人たちに本物の日本食を食べさせたいと、20年間も和食店を切り盛りしました。小池さんの“誰もやりたがらないことをやる”精神は、お母さん譲りなんでしょうね」(小池家の知人)

 1992年には花形キャスターとして稼ぐ億単位の収入を捨て、わざわざ自民党からのオファーを蹴って、生まれたての日本新党から出馬した。当時の心境を、女性セブンにこう語っている。

〈出来上がった政党にはまったく興味がなかった。会合の司会役として便利に使われるぐらいでは面白くないしやりがいもない〉

 小池氏は2005年の郵政解散で自民党不利が囁かれるなか、地元・神戸の地盤を捨て、わざわざ東京から「刺客」として立候補した。昨年の都知事選では、約束された国会議員の椅子も捨てて、所属する自民党に見捨てられた中で、「崖から飛び降りる覚悟」で出馬を決めた。

 小池氏には「賭博師的な感性がある」と指摘するのは『挑戦 小池百合子伝』(河出書房新社)の著書がある作家の大下英治さんだ。

「彼女は石油商の父親から、“人生は浮き沈みがある。いつも賭けみたいなものだ”といって育てられたそうです。人生は戦いであり、賭けであるという考えが心に染みついているから、時として大きな賭けに出るんです。彼女は精神的には、日本人というよりカイロ人。カイロ大の入学式では匍ほ匐ふく前進をしたそうですからね」

 過去に小池氏は本誌・女性セブンのインタビューではこう話した。

〈安心、安全なところに自分自身を置く気がないんです。私が飛び込むのは全部ベンチャー。リスクのない安全パイのところにはすでに他の人がいるから、私がわざわざ行く必要がない〉

※女性セブン2017年10月19日号

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